Dear HERO[実話]
龍斗はまた私をからかおうと違うDVDを探している。
そんな龍斗の2、3歩後ろを追って店内を歩き回った。
たくさんのDVDに目をやりながら、キョロキョロしていると、ふと横から視線を感じた。
気になって視線を感じるほうにそっと目を向ける。
………?
その視線は一人の男が私に向けているものだった。
上から下まで観察するように見ている。
…な……なに?
不思議に思っていると男と目が合った。
でもその目を逸らそうとはしない…
もう一度上から下まで舐めるように見る。
……気持ち悪い…。
目を逸らそうとすると、私に話しかけようと振り向いた龍斗がその男の存在に気付いた。
男の明らかに普通ではない視線。
不安そうな顔をする私。
そしてそんな男の不快な視線にムッとする龍斗。
2、3歩戻ると私の背中に手を回した。
……龍ちゃん?
そして自分のほうへと引き寄せるとその男を鋭い眼差しで睨む。