Dear HERO[実話]
トクン…トクン…
龍斗の心臓の音が聞こえる。
「凛ごめん。許して…?」
懇願するように見つめる。
「………」
そんな目で見られたら怒れないじゃん。
ずるいよ…いつもそうやって許してもらおうとするんだから。
見つめられながら、龍斗の唇が近付いてくる。
静かに目を閉じ唇が触れた瞬間、さっきの怒りは消えてしまった。
また許しちゃった…
そしてぎゅっと私の体を抱き締める。
その力が心地いい。
ずっとこうしていたい…。
ずっと…ずっと…。
見つめ合う二人はそのまま体を重ねた。
最初で最後の愛の証。
二人の吐息で窓は白く曇る。
体が熱くて心臓の鼓動が速くなっていった。
トクン…トクン…
トク…トク…トク…トク…