Dear HERO[実話]


「こちらは留守番電話サービスセンターです。ご用の方は発信音の後に御用件をお伝えください」


今度は途中できることはなく最後までアナウンスを聞いた。


ピーー……



「…龍ちゃん、ごめんなさい。怒らせるつもりなんてなかった。このままじゃ嫌だよ…ちゃんと話したい…」



それだけ入れると電話を切った。

しかしその後も龍斗から電話がかかってくることはなかったんだ。


布団に入っても眠ることなんてできない。

携帯を握り締めながら涙を流し、自分の行動に後悔した。


何で素直に自分の気持ちを言わなかったんだろう。

あんな態度、龍ちゃんを怒らせて当然だ…


泣きながらいつしか眠りについた。


そして次の日、目が覚めると龍斗からメールが入っていた。



= 受信 =

 To:凛
From:龍斗

【昨日ごめん、寝てた。何か気にしてるんだろ?あんまり気にせんどこうぜ。昨日のことは忘れよう…】



忘れよう…


昨日のことに触れないようにしようとしている龍斗に私は納得ができなかった。


昨日のことを無かったことにはしたくない。

二人がぶつかった壁だからこそちゃんと話したい。

分かってほしい。

私の気持ちを聞いてほしいと思ったんだ。

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