Dear HERO[実話]
だって…
本当に相手を想うなら自分の欲を抑えてでも愛してくれる人を私は知ってる。
そんな愛があることを知ってしまっている。
それが簡単なことじゃないことも知ってるから…。
どうしても比べてしまうんだ。
自分の欲を抑えて我慢できる人。
きっとそういう人は少ないのかもしれない。
それでもそんな愛の形を知っている私はその愛を求めてしまうんだ。
だけど、もうでもよくなっていた。
「エッチが目的じゃない」
そんな言葉…信じるほうが馬鹿なんだ。
あいつも奏汰も一緒。
ただ体を求めるだけ…。
あの時のたった一つの些細な喧嘩で龍斗を想う気持ちに負けてしまった自分。
その自分に苛立ち、自分自身を苦しめることばかりしていた。