Dear HERO[実話]


歩美は持ち前の明るさで場を盛り上げる。
そんな歩美の話に貴久が入り、二人は意気投合したようだった。


貴久と歩美が一緒に歌い、部屋の中はみんなのテンションが上がり騒がしくなる。


そんな雰囲気に私も自然と笑顔になって、初めてのことに不安はあったけどとても楽しかった。




そんな中、少し前に怖いと感じた龍斗の声がしないことに気付いた。

横を見るときつそうに顔を伏せている。



どうやら酔ったらしい…

ソファに足を上げ、うずくまる龍斗は中々顔を上げない。


心配そうに見たが、「大丈夫?」その一言がかけられずにいた。



しかし、見ていた限りではそんなにお酒を飲んでいないはず…

私は元々お酒が弱かったため、ウーロン茶やジュースを飲んでいたが、龍斗のグラスは二杯目でまだ半分くらい残っていた。


勝手に龍斗はお酒が強そうだ…と思っていたけど、その逆だったんだ。

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