Dear HERO[実話]
籠の中の鳥
奏汰との別れから、私はまた人と接することに抵抗を感じるようになった。
そのせいで女友達や一人で出かけることが多くなる。
「凛、今度合コンするけど来ない?」
「合コン?」
ルリは新しい彼氏と付き合い始めて1ヶ月が経とうとしていた。
「凛に彼氏の友達紹介するよ♪」
「えっ…私はもういいよ」
奏汰と別れて4ヶ月が経つ。
4ヶ月経った今も男の人を信用することができなくなっていた。
「奏汰君のことで懲りたのは分かるけど、凛には素敵な人と出会って幸せになってほしいんだよ。凛はさ、自分から好きにならないと駄目だと思うんだよね…」
「ルリ…」
「凛は想われるだけじゃ満足しないでしょ?」
ルリは私の顔を伺うように聞いた。
「うん、確かに…満足しないね」
ルリに言われてみて自分のことを改めて思い返してみた。