Dear HERO[実話]



「もしもし…久しぶりだね」



電話口では平然を装いながらも、心臓の鼓動が早くなっていくのを感じた。



「おぉ…元気だったか?」



龍斗は突然きた私からの電話に驚きを隠せない様子…。



「うん、元気だよ。龍ちゃんは?」



「俺もどうにかやってる」




二人の空気が少しずつ過去に戻っていく…。


時間は過去を浄化してくれるのかな。

あの頃と変わらない二人が居た。


ううん…

あの時よりもぎこちなさはなくなってて会話が弾む。


明るくなろうって前を向こうって必死だったから…。





「今度、凛が休みの日に飯でも食いに行くか?」




……えっ?

突然の龍斗からの誘いに異常な程反応してしまう。

会おうって思ってくれてるの?




「…うん…」



頭で整理できないまま返事をしていた。


でもこのとき私の胸がどれだけ高鳴っていたか気付いてた?



「じゃあ、また連絡する」


そう言って電話が切れた後も信じられない気持ちでいっぱいだった。

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