Dear HERO[実話]
整った顔立ちに、180以上ある身長。
明らかにモテるタイプの壱春。
第一印象はクールでちょっと近寄りがたい人。
でも真っ直ぐな瞳を持った人。
龍斗と重なるところがたくさんあった。
でも同じじゃない。
龍斗は龍斗で、壱春は壱春だ…
同じ歳で、これまで年上としか付き合ったことのない私にとってはちょっとした冒険でもあった。
壱春の目を見て「好き」と言ったことがちょっと恥ずかしくなり目を伏せる。
そんな私に向かって当たり前のように言った。
「じゃあ行こっか♪」
「………?」
……行く?
………どこに?
「行くって…どこに?」
頭をひねる。
不思議そうに見る私に壱春は笑顔で答える。
「分かってるくせに…行くところって言ったら一つしかないじゃん」
えっ…
その一つを壱春の表情で理解した。