Dear HERO[実話]
一緒に見た花火は、これからの二人を応援してくれるように思えた。
だけど花火は一瞬にして夜空の中へと消えていく…。
今まで毎日連絡を取っていただけに、不安は募る一方だった。
理由が分からない。
それがどうしようもなくて、悲しくて涙が流れる。
そうして時間は過ぎていく。
そんなある日…
~♪~♪~♪
携帯に表示された10日ぶりの壱春の名前。
「もしもし…イチ?」
「…もしもし……」
声のトーンから少し嫌な予感がした。
「最近どうしたの?」
「うん…ちょっと話したいことがあって」
「……なに?」
「………」
少しの沈黙。
最初の一言をためらう緊張が伝わってくる。
聞きたくない…
いい内容じゃないことはわかってるから。