Dear HERO[実話]


一時間半にわたる会話は壱春の

「また明日ね」の言葉で終わった。


龍斗が言ういつか分からない「また」

でも壱春の「また」の後には「明日」がついていた。


それは、明日は必ず繋がっているということ。

たったそれだけのこと。


でも今の私が一番求めていたものだった。



そしてまた毎日連絡をとる日々が続く。

何気ない毎日の会話が楽しかった。
繋がっていることが嬉しかった。


仕事が忙しい壱春とは時間が合わずほとんど会えない。

それでも会えたときにはドキドキを抑えられないほど恋をしている実感があった。




だけど、恋をしている安心感はありながらも私はやっぱり壱春の性格を掴めないでいた。


付き合い初めの頃のように、仕事が終わると電話をかけてきてくれる。

そして少し話すと「また後でかける」そう言って電話を切った。


後でまた壱春の声が聞けるんだ…。

そう思うとその時間が待ち遠しくなる。

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