Dear HERO[実話]
壱春と付き合って5ヶ月…
もうすぐ壱春の24歳の誕生日。
何をプレゼントしようか、誕生日を迎える本人よりも私のほうがワクワクしていたように思える。
壱春には内緒でプレゼントを準備することにした。
色々と悩んだ末、洋服にしようということだけは決め一人店へと足を運ぶ。
一人でメンズものの店に入るのは少し緊張する。
しかしマネキンに着せられた洋服が目に留まり、自然と足が店の中へと動いていた。
マネキンに着せられた黒のジャケット。
「プレゼントですか?」
壱春が着ているのを想像しながら見ていると、女性が声をかけてきた。
「あっはい…」
ニッコリと微笑む店員に私も笑顔で返す。
「いいのありました?」
その女性に聞かれ、マネキンへ目を移した。