Dear HERO[実話]
「もう遅いよ!」
壱春には見えないけどふくれっ面になりながら言った。
「は?遅いって?」
「プレゼント用意したもん…」
「何で…まじいらんよ!」
ただ喜んでもらいたくて…
壱春の誕生日を祝いたくて…
「いらない」
まさかそんな言葉聞くなんて思わなかった。
「じゃあ当日は行かないほうがいい?」
「えっ?あーうん…仕事だしね…」
「分かった…じゃあ当日はやめる…」
苛立ちと悲しみが同時に押し寄せてくる。
「ちょっと待って。待っててよ!」
不機嫌になる私が電話を切ると思ったのか、焦ってそう言うと電話から離れる壱春。
どうやらカレンダーを見に行ったらしい。