Dear HERO[実話]



「じゃあ23日は?おまえ休みだろ?俺も休みだしその日にしよう!」



「……分かった」




私の気持ちを察してくれたんだって、そう思うと嬉しかった。

だから怒っていた気持ちも少し穏やかになって…



“23日”

イチがそう言うから信じたんだよ。

プレゼントを大事にしまって、その日を心待ちにしていた。



だけどまたあの不安が私を襲う。

約束の日が近付いてきて、時間と場所を決めようと電話をかけるけど繋がらない。

メールを送っても返事はない。


そしてやってきた約束の日。

その日も壱春の名前が携帯に表示されることはなかった。


また理由が分からなくて不安で、泣きたくないのに涙が溢れてくる。



イチがわからない…

わからないよ…

< 304 / 407 >

この作品をシェア

pagetop