Dear HERO[実話]
「じゃあ23日は?おまえ休みだろ?俺も休みだしその日にしよう!」
「……分かった」
私の気持ちを察してくれたんだって、そう思うと嬉しかった。
だから怒っていた気持ちも少し穏やかになって…
“23日”
イチがそう言うから信じたんだよ。
プレゼントを大事にしまって、その日を心待ちにしていた。
だけどまたあの不安が私を襲う。
約束の日が近付いてきて、時間と場所を決めようと電話をかけるけど繋がらない。
メールを送っても返事はない。
そしてやってきた約束の日。
その日も壱春の名前が携帯に表示されることはなかった。
また理由が分からなくて不安で、泣きたくないのに涙が溢れてくる。
イチがわからない…
わからないよ…