Dear HERO[実話]


お互い人見知りな性格の二人。

初めて会ったとき、洋楽が好きという共通点がきっかけで話せた。


私が洋楽を好きと知ると、壱春は嬉しそうに目をキラキラさせて喜んだ。


好きなアーティストは?から始まって…

壱春が一番好きなアーティストを知ることもできた。


勧められて聴いたそのCDは音楽も歌詞もすべてが優しく深く、そして切なくて…私の大好きなものへとも変わっていった。


そのときと同じように目をキラキラさせてCDを眺める。



「こりゃお返しちゃんと考えないとな…ホワイトデーまでに考えるから期待してて」



CDを手に持ったまま、私に目を向ける。



「そんなこと言うとホントに期待しちゃうよ~?」



壱春の顔を下から覗き込むようにして微笑んだ。



「いいよ、期待してて!」



そう言って真っ直ぐ私の瞳を見つめるから、本当に期待してた。

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