Dear HERO[実話]
消えない真実
3年ぶりの再会を果たして一時間が経つ。
いつのまにか龍斗の前に座って笑顔で話すことができていた。
でもそれは強がりでしかない…
ほんとは彼女がいるという事実を知ったとき、ドクンッと心臓が大きく波をうった。
笑顔をつくりながらもその話題から逃げたくなる。
「龍ちゃん、見て!」
携帯に保存している、ある一枚の写真を表示させると龍斗に渡した。
そこに写っているのは甥っ子。
可愛くて自慢のもうすぐ1歳になる甥っ子の写真。
楽しい気分になるように、明るい話題になるように…
少しでもあの話題から離れられるように…
それを見て「可愛いね」って言ってほしかった。
ただそれだけで…
本当にそれだけだったよ…