Dear HERO[実話]
「ねぇ…やっぱり何で今も付けてるの?結婚したのに付けてたら駄目だよ…」
私の視線を辿って、龍斗はネックレスに目をやる。
「だってずっと付けてるし。チェーンのとこ磨くとき以外、外してないからな…」
そう言ってトップの部分を手で掴む。
“ずっと付けてる”
そう言われて素直に嬉しいと思った。
大事にしてくれてるんだ…
「外してチェーンを磨いてパッて付ける。今じゃ片手でも付けれるよ。付けてないと逆に変な感じがするんだよな…」
ニコッと笑いながら話す龍斗。
その笑顔は何を思い出しているの?
私がネックレスを渡したあの日…
お互いの過去を知ったあの日…
「ずっと外さないよ」
…確かにそう言ってくれた。
でもね龍ちゃん…
あなたが当たり前のように付けているネックレスを私はどう受け止めればいいの?