Dear HERO[実話]



ホットレモンを握り締め車に乗った。


帰りの車の中でも龍斗と何を話したのか覚えていない。
それだけ気持ちが舞い上がっていたんだ。


ただ手にじんわりと伝わるホットレモンの暖かさが私を安心させてくれた。




店に戻ると駐車場で莢香が待っていた。


その姿を見つけ龍斗に「ありがとう」と伝えると、車を降りて莢香の元へと向かった。



本当はね、もっと話したいと思ったんだよ。

でも緊張と恥ずかしさですぐに車を降りてしまった。



その後から車を降りる龍斗。




「リトさんと行ってきたんだ。どうだった?」


莢香の元へ行くと後ろで車を降りる龍斗の様子を見ながら、すぐに聞かれた。



「うん…莢香のほうは?」



「私のほうは微妙…弘也、優しいのは優しいんだけどさ…」



話ながら部屋には戻らず、莢香とベンチに座った。

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