Dear HERO[実話]
「凛(リン)ってさぁ…男の子とあんまり話さないよね?」
そう言われたのは一度だけじゃない。
「私、男嫌いなの…」
そう答えたのも何度あっただろう…
『凛=男嫌い』
そんなイメージを持たれたまま終えた高校時代。
だけどそんな私も恋ぐらいしたことはある。
好きな人ができたとき毎日がドキドキした。
見てるだけで笑顔が増えた。
だけどね?
どうしても男の人への接し方が分からない。
何を話せばいい?
いつ声をかければいい?
だから結局“男嫌い”てイメージをつけて逃げたんだ。
だけど逃げても何かが変わるわけじゃなくて…。
余計に私を奈落させた。
そしてそれはあまりに唐突に私を恐怖の穴へと連れ込んだんだ。