Dear HERO[実話]
龍斗は家まで送ってくれた。
「またね…」と言って別れる二人。
この日、私は完全に龍斗に恋をしていた。
それから二人は毎日のようにメールするようになり、一つ一つ龍斗のことを知っていく。
龍斗には兄弟がいて長男であること。
車関係の仕事をしていて、誕生日は私と10日しか違わなくて同じふたご座。
いつもつけてる香水はFENDIだったこと。
車に乗ると鼻をかすめる香水の甘い香り。
その香りが大好きになった。
そんな二人の様子を見て莢香が声をかけてきた。
「凛、リトさんとどう?」
「うん♪今、毎日のようにメールしてるよ!」
自然と笑顔になる。
龍斗との出来事を莢香に伝えたかった。
「そっかぁ。リトさんのこと好きになった?」
「……うん」
突然の莢香の問いかけに戸惑ったけど、赤面しながらも自分の素直な気持ちを告白した。