Dear HERO[実話]

ある日龍斗と電話で話しているとき、ずっと気になっていたことを切り出した。



「リトさん…?ずっと気になってたことがあるんだけど…」


「…ん?どうした?」



優しい声が聞こえる。




「莢香って…リトさんのこと好きなんじゃないかな…」



「えっ?」




私の思いがけない言葉に龍斗は驚いた様子。



「この前の飲み会のときリトさんと莢香、一緒に部屋出て行ったでしょ?もしかしたらリトさんも莢香のこと…って…」



自分が見たあの日の出来事を話す私に一瞬黙った。



「凛ちゃん……そのことずっと気にしてたの?」



「うん…だって…」



龍斗からどんな言葉が返ってくるのか…本当のことを知るのが怖かった。



「莢香のことが好きだよ」

そう返ってきたら、私の恋はここで終わりだ。

< 49 / 407 >

この作品をシェア

pagetop