Dear HERO[実話]
ある日龍斗と電話で話しているとき、ずっと気になっていたことを切り出した。
「リトさん…?ずっと気になってたことがあるんだけど…」
「…ん?どうした?」
優しい声が聞こえる。
「莢香って…リトさんのこと好きなんじゃないかな…」
「えっ?」
私の思いがけない言葉に龍斗は驚いた様子。
「この前の飲み会のときリトさんと莢香、一緒に部屋出て行ったでしょ?もしかしたらリトさんも莢香のこと…って…」
自分が見たあの日の出来事を話す私に一瞬黙った。
「凛ちゃん……そのことずっと気にしてたの?」
「うん…だって…」
龍斗からどんな言葉が返ってくるのか…本当のことを知るのが怖かった。
「莢香のことが好きだよ」
そう返ってきたら、私の恋はここで終わりだ。