Dear HERO[実話]
少しずつ暖かくなってきたある春の日 ―――
私は一人の男性と花見をする約束をした。
それは少しだけ男の人と接してみよう…そんな思いから。
春の陽に照らされた満開の桜はとても綺麗…
雪のように舞う桜は安らぎと暖かさを運んできてくれる。
そんな桜の木の下で花見を楽しんだ。
桜のあまりの綺麗さに目を奪われる私に男は当たり前のようにお酒を手渡した。
そして何のためらいもなくそれを口にする…
お酒が弱い私は、たった一缶で顔が赤くなりいつもとは違うフワフワとした気分になっていた。
頭がボーとする。
気持ちいいような悪いような…
一しきり花見を楽しんだ後、桜の木を見上げながらその男の車に乗った。
走り出した車にドライブでもするのだろうと思っていた。
その間もフワフワした気分は抜けない…
車が止まり、ボーとした頭を上げるとそこには一件の家。