Dear HERO[実話]
「ていうか、凛ちゃん秀のこと気になってたんでしょ?」
「えっ……」
「莢香が言ってた。凛は秀のことが気になってるみたいだって。俺はそれならそれで仕方ないと思ってたけど…」
「………」
その気持ちも本当だっただけに私は何も言えなかった。
「今も秀のこと気になってるんじゃない?」
からかうように聞いてきた龍斗だったけど、その内心は真剣だった。
「凛は秀のことが気になってる」そう莢香に聞かされたときから、龍斗の心にはずっとそのことが引っかかっていた。
龍斗自身、あのときの飲み会で秀と二人でベンチに座って話す姿もこの目で見ていた。
仲良さそうに自分の前では見せないような笑顔で話す姿を…
そんな私が秀に惹かれているのも感じていた。