Dear HERO[実話]
同じ時間
数日後 ―――
この間のメンバーでまた飲み会をしようと莢香が駆け寄ってきた。
話の発端は飲み好きの歩美だったみたいだけど…
家に帰り、龍斗にそのことを話すと喜んでOKしてくれた。
私はどんな形であっても龍斗に会えることが嬉しかった。
僅かな時でも、あなたと同じ時間を過ごせるなら…
飲み会の当日 ―――
私は朝からずっとワクワクしていた。
今日はリトさんに会える。
早く授業終わらないかな…
一日中、時計ばかりを気にしてしまう。
しかし、そんな高ぶる気持ちとは反対に莢香に元気がなかった。
「どうしたの?」
机に肘をついて頭を支えるように座っている莢香に声をかけると、覗き込もうとする私の顔を見上げ髪をかきあげた。
「朝から体調悪くて…電車の中で座り込んじゃった」
そう言う莢香の顔色は青白かった。