Dear HERO[実話]
そしてその中の一つが目に留まった。
トップは小さな正方形で、中に錨のような模様が彫ってある。
そのシンプルでさりげなく付けれそうなネックレスを手に取ると、龍斗が付けているのを想像してみた。
似合う…!
他のものを見てももうそのネックレスに決まっていた。
「これをプレゼントで…」
ネックレスを受け取った店長はニッコリ笑った。
「じゃあラッピングするから店内見ながら待ってて。リボンは赤でいい?」
「…うん」
数分経って「お待たせしました」と言って渡された小さな紙袋の中にはさっきのネックレスが入っている。
黒い箱に真っ赤なリボンでラッピングされたネックレスを手に、早く渡したくて渡したくてたまらなかった。
龍斗が付けているのを想像しながら自然と笑みがこぼれてくる。
クリスマスが待ち遠しいよ。