Dear HERO[実話]
食事をした後、龍斗はいつものように家まで送ってくれた。
門限があるせいで食事の後にどこかへ行く時間はなかった。
それがたとえ特別な日だとしても…
せっかくのクリスマス。
もっと一緒に居たかった。
この時これが龍斗と過ごせる最初で最後のクリスマスだと分かっていたなら、無理矢理にでも門限を破ったのに…
この時はそんなこと分かるはずもないんだけど…。
家の前に着き、バッグの中を気にしながらも車を降りると龍斗も運転席のドアを開けた。
「………?」
何でリトさんも降りるんだろう…
不思議に思っていると、龍斗は車のトランクから何かを取り出した。
そして赤いリボンでラッピングされている大きな銀色の袋を差し出す。
「メリークリスマス…」
「………」
一瞬何なのか分からず、「?」を頭につけたままその袋を受け取った。
両手いっぱいに私の顔が隠れてしまうほどの大きなプレゼント。