Dear HERO[実話]
え…?
クリスマスプレゼント…?
……私に?
まさかリトさんが準備してくれてるなんて…
驚きの眼差しを向けると、龍斗は優しく微笑んでいた。
今…
今、プレゼントを渡すのに一番いいタイミングだと思った。
バッグを強く握り締める。
だけど…
「じゃあ、またね。おやすみ…」
「あ…うん。おやすみなさい…」
そう言って車に乗り込む龍斗を引き止められなかった。
「私もプレゼントがあるの」と言う前に「おやすみ」と言ってしまった。
走り去る車を見ながら、渡せなかった後悔と受け取った嬉しさがこみ上げる。
龍斗と別れ、家に入ると急いで自分の部屋へ階段を駆け上がった。
ベッドの上でドキドキしながらプレゼントの袋を開ける。