Dear HERO[実話]
「…はぁ………はぁ…………」
何度もするうちに少しずつ落ち着き始めた。
脳もこの状況を把握しようと働きはじめる。
そのときだった……
泣きじゃくる声が聞こえなくなると、男は口につけていた煙草を消し振り向いた。
えっ……?
い…や………
イヤーーッ!!!………
気付いたときには再び男に抑え付けられていた。
また声がでない……
「…うっ……ひっ……はぁ…はぁ………」
流れ出す涙……
無言で何度も何度も首を横に振る。
しかし、今度は止まらなかった。
無言で抑え付けられる力が怖くて、男の目を見ることができない。
ぎゅっと目を瞑った。
今、私の目の前に居るのは…
私の体を、心を切り刻むのは…
……ダ…レ?