Dear HERO[実話]
それから数日後、私は事実を知ることとなる。
それは龍斗と電話で話しているときのこと。
「歩美ちゃんと貴ってうまくいってるのかな?」
あの時の飲み会で仲良くなった歩美と貴久は、その後も何度か遊んでいるというのを莢香から聞いていた。
二人のその後がちょっと気になった。
「貴に聞いたけど、中々いい感じみたいだよ」
「そうなんだ!」
「それより弘也と莢香だよな。弘也は莢香を誘ってるみたいなんだけど断られたらしい…」
「そっか…」
胸が痛くなった。
弘也の想いは届かないのかな…。
「そのくせ莢香は俺と凛のこと聞いてくるし。うまくいってるのかとか今度いつ遊ぶんだとか…」
「………」
………どういうこと?
「……え?……莢香…が?」
一瞬、龍斗の言葉の意味が分からなかった。