Dear HERO[実話]
二人の一歩
クリスマスから一週間 ―――
一年の終わりがやってきた。
それまで新年はいつも家族と共に迎えてきた。
今年は初めて家族以外の人と過ごすことになる。
龍斗と一緒に…。
ドライブをして、「撮りたい!」と言って初めて龍斗とプリクラを撮った。
幼さの残る私と一緒に写る、金色の髪の龍斗。
ぎこちない二人はこのとき、この先にある二人の関係に胸を高鳴らせていたはずだ。
今見ると思わず吹き出してしまう。
だって二人とも緊張が顔にでてるから。
ポーズなんてつけれるわけもなくて、落書きもスタンプだけで文字は一つも入ってない。
そして、その一枚は私にとってとても大事なものになった。
なぜならそれは最初で最後のプリクラ…
このときはそんなこと夢にも思わなかったのにね。
私の手帳に残る二人はこの日で止まったままだよ。