君は特別です。
そんなときだった。
俺はある日の帰り道、そこら辺のヤンキーに絡まれていた。
“俺らの仲間に入れ”
そうヤンキー達に言われた。
なんで上から目線なんだよ。どうせ、俺が赤毛でヤンキーに見えるからだろ?? これは地毛なんだよ!! 俺だってこんな髪、好んでるわけじゃねぇんだよ!!
俺はイライラして“ぜってぇ入らねぇし”と反抗的なことを言ってしまった。
しまった…と思ったときには、もう遅かった。こういう奴は短気なんだから、すぐキレることぐらいわかってたのに。
思ってた通り、ヤンキー達は“あぁ…?? 俺らにそんなこと言うとか良い度胸してんじゃねぇか…!!”と言って俺に殴りかかってきた。
ヤンキー達を見ると、高校生って感じだ。流石にケンカ強い俺でも、たぶん勝つことは無理だろう。売られたケンカを買う気もなかった。
――もう、疲れたな…。
どうでもいい。一思いに殴ってくれよ…。そして、出来ることなら俺を殺してくれ……。
その時の俺は、自分でも気づかないうちに、精神的に弱っていたんだと思う。