君は特別です。
目の前に相手の怒り狂った顔と拳が見えた。
その顔に一瞬、ゾクッッとしながらもそのままゆっくり瞼を閉じた。
避けようと思えば避けきれたが、今の俺はそんなこと考えなかった。
ただ、殴ってくれよ…それだけだった。
顔の前に風圧が来るのがわかる。
っ……。いてぇだろうな…。
そんなことを思った。
しかし、いつまでたっても顔に痛みが感じられない。
そして、相手の「ッッ……!! いてぇ!!」と言う声。
慌てて瞼を開けると…そこには、ヤンキーの腕を掴んでいる、相田爽がいた…。