君は特別です。
そもそも男子と普段全く関わらない千尋が、俺と関わるきっかけになったのが、バスケ――なんだよな。
――ある日、俺はクラスの奴等と廊下で話していた。
ギャハハハハとうるさかった俺らは、周りにとって凄く迷惑だったろうな。
そんなときだった。
「「はいっ!! こっちにパスッッ!!」」
俺らの声に負けない、威勢のいい声が聞こえてきた。
それは近くにあった体育館からだった。
ちょっと俺は興味を持ち、冷やかしにでも行こうぐらいの気持ちで、奴等と体育館に向かった。
体育館に行くと、そこではバスケ部による昼練が行われていた。
俺は正直、そのバスケ部の迫力に圧倒されていた。
そんな中、冷やかすことを忘れてじっくり見学していた俺の眼に、衝撃が走るような光景が広がった。
ダンッッ!!
「ナイスパス!! よしっ行くぞッッ!!」
そう言った彼女は、相手のガードを見向きをせずに華麗なドリブルをこなしていった。そしてあっという間に、ボールがリングに吸い込まれていった。
すげー…。あんな凄いプレー、初めて見た…。
俺はその彼女に目を奪われていた。
あんな綺麗なバスケの仕方があったのか?? と思うほどに。