君は特別です。
そしてバスケ部が終わるのと同時に、俺はその彼女の元へ走っていた。
勿論、周りは「「ザワザワ」」と騒ぎ始める。
そりゃそうだ。
この時の俺は薄茶の髪色に、着崩した制服。
学校でも有名なヤンキーだったからな。
でも千尋が“誠実で真面目な人が好き”って言うのを聞いてから、髪色も戻して黒にし、制服もちゃんと着衣し、勉強も頑張った。
そのおかげでテストでは常にトップ10を維持できて、先生からの評判もよくなった。
まぁ、チャラい所は相変わらず変わってない……らしいけど。
そうして俺は周りの視線も気にせず、こう言った。
「お前の名前は何て言う??」
とにかく彼女の名前が知りたかったんだ。
そして、関わりを持ちたかった。