君は特別です。
更によく見ると泣いている。
パチッッ
あっ、目があった。
と同時に、
「うわぁああああぁ!!」
泣き叫ばれてしまった。
周りはいつのまにか人も増えていて、こちらをジロジロ見てくる。
えっえっ、私が何かした?
いやしてないよね。
でも周りは明らかに私を悪者みたいな目で見てくる。
――しょうがない。
何とか泣き止ませようと声をかける。
「大丈夫? 名前なんて言うの?」
しかし男の子は泣くのをやめようとしない。
困ったなぁ。
このまま知らんふりするのもあれだしなぁ…。
…ん?
ジッと男の子を見つめてると、男の子の膝から、血が出ているのが目に写った。
あぁ、これが原因か。
恐らく歩いてて転んだんだな。
けど今は絆創膏とか持っていない。