君は特別です。
そうして私は5歳ながらも幼さを失った。
もう、自分の願いを持たない。
もう、わがままだって言わない。
そうして私はちょっとひねくれた子に、育ってしまった。
小学3年生までは養護施設に預けてもらっていた。
幼さを失った私を気味悪がって、大人も子供も私に近付かなかった。
そんな空間がだいっきらいで、だいっきらいで。
小学4年生になったら、お母さん達と幸せに暮らした家で一人暮らしを始めた。
最初は悲しくもないのに、急に涙が溢れてきた。
でもそれにもすぐ慣れて、それが当たり前になっていた。
そんな私を助けてくれる人は、誰もいなかった。