後輩くんは俺様王子
な、なんじゃそりゃ…………。
あっ、でも私も聖也くんに会いたかったんだし、なんかそれ嬉しいかも………。
てか、覚えてないと思ってたのに、聖也くんも私のこと覚えてくれてたってことだよね?
それってなんか、すごく嬉しい。
私しか覚えてないと思ってたからなあ……。
「……………イ?南美センパイ?」
「……えっ?」
「えっ?じゃないですよ。大丈夫ですか?ぼーっとしてましたけど………」
と、本気で心配してるのか私の顔を覗き込む聖也くん。
「あ、うん。大丈夫だよ」
「……まあ、それならいいですけど。
ところで、さっきすごい急いでた様ですけど、大丈夫ですか?」
「うん…………って、あ!日誌提出!!忘れてた!!!行かなきゃ!!!!」
早く行かなきゃやばい!!
慌てて職員室に向かおうとする私を、聖也くんは引き止める。
「えっ、ちょっと、なに!?」
「センパイの教室、どこですか?」
「えっ?んーと、階段登って、左曲がって………」
「そうじゃなくて、クラス。クラス教えてください」
「D組だけど………。それがどうしたの?」
「いえ、それだけですから。ほら、早く行かなくていいんですか?」
「あっ、うん」
聖也くんの言葉に疑問が残るものの、とりあえず職員室に行かなくてはならないので、聖也くんをその場に置いて私は職員室に向かった。