後輩くんは俺様王子
「だ、だめだよぉ~!こんなの…………パパに怒られるよ…………」
涙目で、真っ赤になりながら聖也くんにそういう私。
もう、どうすればいいのよ~!?
確かに私は聖也くんが好きだけど、こんなこと許しちゃだめでしょ!!
「……………プッ!クックックッ………アハハハハハ!」
どうしようどうしよう、と悩んでたら、いきなり笑い出した聖也くん。
「えっ…………聖也くん……?」
「冗談に決まってるだろ?ほんと、南美っておもしれぇ!」
そういいながらまだクスクスと笑う聖也くん。
お腹抱えて涙まで出て………。
いくらなんでも笑いすぎじゃない……?
私本気でどうしよう、って考えてたのに………。
「うー……………。聖也くんひどい!!!
しかもなんか口調変わってるし!!」
「ごめんごめん。てか、これがほんとの俺だけど?」
「えっ、ええ!?」
「そりゃ学校とかでは一応先輩なわけだし?敬語使うかもしれないけど………。これからは普通にこんな感じで話すから。改めてよろしく」
よろしくって………。
あぁもう!聖也くんが全くわかんないよ!!!
あんなに可愛くて優しくて、甘えん坊で泣き虫で………
そんな聖也くんはどこに行っちゃったわけ………?
「………あぁ、あと。
今度から登下校も一緒な。勝手に帰ったら罰ゲームあるから」
極めつけはこれか………。
私先輩のはずはのに、なんでこんな命令されてるんだろう…………。
これから私の生活、どうなるの……………?