後輩くんは俺様王子



家を出ると、すでに聖也くんは玄関で待っていた。


「おはようございます。南美先輩」

まるでイギリスかどっかの王子みたいなキラキラなスマイルで私に挨拶をしてくる聖也くん。

「おはよう……」


それに比べて寝不足で最悪な私は朝とは思えないくらいの暗い声で挨拶を返した。


「あれ?南美先輩どうしたんですか?顔色すごい悪いですけど」

あんたのせいだよ!と言ってやりたいけど、そんなことしたらからかわれるのが目に見えてるのでとりあえず何も言わないで歩き出した。



「南美先輩?具合悪いんですか?」

何も言わずに勝手に歩き出した私のことを不思議に思ったんだろうか。
心配そうに私の顔をのぞき込んでくる聖也くん。


「わ、わああっっ!!!」

その時に聖也くんと目が合ってしまって、顔が真っ赤になる私。


「えっ、ちょ、大丈夫ですか!?顔真っ赤ですよ!?熱でもあるんじゃあ……」

「だ、大丈夫だから!!なんでもないから!!」


だから、お願いだから私のほう見ないで~~!!









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