後輩くんは俺様王子
うちの学校は第一校舎と第二校舎が分かれていて、私の教室がある第二校舎と職員室のある第一校舎は距離が結構ある。
そして、校舎同士を結ぶ渡り廊下に隣接している庭みたいなところに、一本の桜の木があるんだ。
……………普段なら、桜の木のためだけに、立ち止まったりなんかしない。
でも、今日は思わず立ち止まってしまったんだ。
「新入生………?」
そこには、一人の男の子がいて。
スラッと高い身長で、横顔だけれど、すごく綺麗な顔立ちで……。
彼は私の声に反応したのか、ゆっくりとこちらを振り向いた。
目が合った瞬間、ドキッとして。
そして彼は…………
「お久しぶりです。南美センパイ」
そう、私に向かって微笑んだ。