カタリ カタリ
そしてお座敷。


この男はここがナニするところか分かっているのだろうか。

お座敷に上がっても、羽織を脱ぎもしないし、まず私に近づこうともしない。
一人で外を見ながら煙管を吹かしている。

「……ねぇ、ここは廓なのよ?」

私が恐る恐る聞いてみる。

「…うん。だけど俺は抱く事はできない」
「え?」

私は頭の上にハテナを浮かべた。
………もしかして、不能?
私が悩んでいると男が言った。
「……俺は今日旦那様の命令で来てるんだ」
「旦那様?」
「うん。どんな女がいるか調べろと言われたから」

う〜ん…

あんまり外の事は分からないけど、とりあえず不能じゃないって事が分かって安心した。

「……ごめんなさい、私、外の事は全くダメなの」




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