初恋


ポツ・・・ポツ・・・
ザァァァァ・・・


「あっ!雨だ!」

「え~!傘無い!
今日は入学式だから早いのに~!」


そんな声が聞こえて、
窓の外を見ると、
細長い春雨が降っていた。


「麗花、おはよ!あっ!
ねぇ、傘ある?2本持ってきた?」


急に夏希が飛びついてきた


「はぁ~、本当に、
夏希はいつも元気だね・・・」

「元気で悪かったわね!w」

「ハイハイwどうぞw」



♪~♪~♪

これから入学式です!
生徒の皆さんは、
体育館に移動してください!

♪~♪~♪


「ほら、行こ♪」


私の肩をポンと叩いた夏希は、
私の手をグイッと引っ張って行った



入学式が終わると、
同じクラスのA組の男の人が、
教室の前でうろうろしていた


「あのぅ・・・
えっと、どうかしたんですか?」


思わず口走ってしまった


「ああ、友達待ってて・・・」


いっ、イケメン!!!


「急に話しかけちゃって
ゴメンなさい・・・
あの、えっと、
入学祝を貰う教室の場所が
わからないのかな?って・・・」

「ありがとう!大丈夫だよ!
ちゃんと貰ったから!」


そうなんだ!って、
なっ、なんと優しい!!
きっと、モテるんだろうなぁ・・・

そんな事を思ってると、


「ブッ!!あっ!ワりぃ!」


という声がした


「おい剣!何笑ってんだよ!」

「え?ああ、だってさぁ、
この子が変なこと言うんだもんw」


はっ?Σ(゜Д゜)何が?


「何がだよ!」

「だって貼り紙貼ってあんのに
迷うって、あり得なくねぇ?
春樹は?そう思わねぇの?」


ああ、それね!そうなの?
って、え~?それだけで?


「なかにはさぁ、
迷う人もいるかもしれねぇじゃん」


春樹君優しい!


「ああ、そうかもなw
悪かった、謝るわ、ゴメンなw」

「いえいえ、そんな」

「剣~♪帰ろ♪」


えっ?夏希の声?
振り向くと、夏希がいた


「あっ、春樹すまん!
夏希と帰る約束だったんだ!」

「マジかよw」


はい?えっ?何?


「ちょっと~?忘れてたの?
もう!バカ!あっ!そうだ!
あのね、麗花、前言ってた彼氏、
剣なんだよ♪」


ああ、やっぱり!
って、違う!!!


「そうなんだwそうみたいだねw」

「うん!ねっ!剣!」

「おうw」


はーい!でましたー!ラブラブ!


「紹介するね!
彼氏の如月 剣、B組ね!
で、剣の友達の桐野 春樹君!
同じクラスだよ!」

「知ってるよw
同じクラスだもんw」

「で、この子が、
櫻木 麗花、A組ね!」

「宜しくな!」

「宜しく!」

「宜しくねっw」

「じゃあ!そろそろ俺達、
帰るから!じゃあーなー!」

「バイバーイ!」


あ~あ、
行っちゃった・・・


「雨、まだ降ってるねw」


急に声をかけられたから、
びっくりした


「あっ、うん、そうだねw」

「じゃあねw」


行っちゃうんだ・・・


「うん、バイバイw」


昇降口に着くと、
雨宿りをしてる春樹君がいた
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