不滅のLIAR!
それはたった一言だった。


リンに特定の誰かがいないかを軽く探りフリーだと聞いた直後。


広いパーティールームで、誰かが昔流行った懐かしい歌を歌い始めたデカいモニター画面をぼんやりと見つめたリンは、隣に座る俺に向けてか独り言かもわからない小さな言葉をポツリと発した。


「私は、お勧め出来ないな……」


今さっきまで楽しそうにはしゃいでたくせに一瞬淋しそうな顔を見せ、ハッとしたようにまたすぐ無邪気な笑顔に戻るリン。


……同性からも羨まれそうな容姿にサバけた性格で、どうしてそんな顔をしてそんな事を言うんだろう?


その瞬間、友達になりたいというだけの漠然とした好意が、形を変えた。


もっと知りたい。リンの事を、リンの気持ちを。


俺はリンが無意識に仕掛けた罠にまんまと捕えられた。


いや、そんな事言ったらリンに「お前に仕掛ける罠なんかねぇ!」って叱られるな、きっと。


< 118 / 304 >

この作品をシェア

pagetop