不滅のLIAR!
エンジンを切って深いため息をつき、更に一呼吸置いてから俺はのそりと車を降りた。


運転疲れの体の怠さよりも、精神的な重怠さの方が桁違いに辛い。


俺は足を引きずるように部屋へと戻って、乱れたままの布団に脱力した体を投げ出した。


「俺、何考えてたんだっけ……?」


仰向けのまま右手で右半分の顔を力無く覆う。


「……あぁ、ハニーか。……アホになるくらい嬉しかったもんなぁ。確かあの日はその後間もなく帰ったんだったよな」


そこで俺はふと自嘲気味な思い出し笑いを浮かべた。


「そうだ俺、すぐに手を出すような軽い男じゃないからってリンに言ったんだっけ。カッコつけて言ったけど、手出せなかっただけだろっつーの」


そして俺は顔を覆ったまま、ゆっくりと目を閉じた。


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