不滅のLIAR!
暴れ出す抑え切れない感情を俺は自らの意志で解放した。


―好きな女を抱く―


ただそれだけの事が俺にとってどれほどの奇跡か。


24年間生きてきて誰かを「好きだ」と感じ心の底から身を焦がした事のない俺は、ほんの少しの怖さと、とてつもなく深い喜びと感動を知ってしまった。


何も生まれない、何も残らない、ただの惰性の関係なんかもういらない。


リンがいてくれればそれだけでいい。


こんな幸せに満ちた気持ちを絶対に手放したくない。


もう、手放せるわけがない。


フワフワとくらげみたいに生きてきた俺が、初めてなりふり構わず人を欲した瞬間だった。


きっとこれから、もっともっと深まるはずの愛だった……。


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