不滅のLIAR!
キョロキョロした俺の様子を少しだけ伺って、フロントマンが軽く説明を始める。


「本日から二泊の御予約の徳……、『シ』、様でよろしかったでしょうか?」


「あ、いや、徳『ジ』です。徳『ジ』」


ふりがなふったけど、俺の字そんなに汚いかな?


でもよくある事だし、今はご機嫌だから全く気にもならない俺。


一礼して説明を続けるフロントマン。


「大変失礼致しました。徳『ジ』様のお部屋は306号室になっております。後ほど係の者が御夕食のお時間を伺いに参りますので……」


淡々と続く言葉を「はい」と頷きながら俺は横目でチラチラとリンを探した。


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