不滅のLIAR!
俺はアルコールを飛ばそうと、猛烈に親指にフーフーと息を吹きかけた。


あんまり意味のない行為だけど、脳が「とにかく吹け!」とビシバシ命令してくる。


そんな事をやってるうちに、やっと少し痛みが引いてきた。


「鬼!あんた鬼だ!」


涙目で訴えたけど阿部さんは聞いちゃいない。


「くっくっくっくっ!あー、面白かった!じゃあな!」


ひとしきり笑った後、さっさと立ち去る阿部さんを渋い顔で見送りながら、俺は残りの仕事をどうやって片付けるか頭を悩ませ始めていた。


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