不滅のLIAR!
カシャッ、ザッ、カシャッ、ザッ、カシャッ


「いてっ」


歩く度、右足に履いたビニール袋が鳴ってうるさい。しかも袋が薄いから小石を踏んだだけでも痛い二次的被害に遭遇中。


結局あれからしみない塗り薬を優しく塗り、労るように親指に包帯を巻き、長靴が履けないかわりにビニール袋でそっと足を覆って、馬の餌の飼い葉作りを何とかこなした。


非常に不便で痛いけど爪なんかそのうち生えてくるはずだし、薬もあるから今更病院に行っても仕方ない。


基本的に痛いのは大嫌いだけど俺は余程の面倒臭がりなのか、食中毒になった時ですら病院に行かなかった人間だ。


爪くらい、なにさ。


そしてずっとビッコで疲労こんぱいの俺は仕事が終わって寮に帰ると、すぐに夕飯を済ませ二階にある部屋に戻った。


もちろん、食堂で延々と阿部さんに笑われながら。


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