不滅のLIAR!
部屋の中がありえないほど汚い俺は、感染症の危険にさらされつつ、とりあえず一番マシな布団の上にぐったり座り込んだ。


不意に枕元に置いた二つ折りの黒い携帯が鳴る。


パカッと開いて画面を見ると「稲葉リン」の嬉しい文字が。


「もしもし」


「あ、晶?仕事終わった?」


なんだかリンの声を聞くとホッとする。


「うん、終わったよ。でもちょっと怪我しちゃってさ」


親指の包帯を軽くさすりながら、なんとなく報告する。


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