不滅のLIAR!
そして俺は砂煙を巻き上げながら牧場を後にして、通い慣れたリンのアパートまでひたすら必死に運転した。


スピードや信号を頭の片隅で気にしつつ延々とリンの言葉を考える。


「首洗いながら、首洗いながら……、何て恐ろしくてありえない言葉だ!」


次の瞬間、前方を見据えてた俺の顔が恐怖で凍り付く。


「もしかして千香バレた!?一緒に連れてった奴らからバレた!?でも今まであいつらにリンとの接点はなかったぞ!?」


うちの若い連中は服になんか興味もなく、通常リンの働くショップにわざわざ買い物に行くなんて皆無だった。


だから今回の事もリンに知れるはずがないとタカをくくってた俺。


でもやっぱりあいつらがわざわざ行くとは思えない。行くとしたら阿部さんくらいだし……。


「ま、まさか阿部さんが!?」


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