心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
*
気がついたらもう、こんな時間。
一時間以上も、加賀さんと裏庭で話していたらしい。
教室棟の中は、がらんとしていた。
テスト週間ということもあって、大会前で活動してる部活生以外は、もう帰ってしまったようだ。
あ。
そういえば、カナタ………。
一緒に帰るって言ってたのに、あたし、何も言わずに、教室に置いてきちゃったけど。
…………もう、帰っちゃっただろうな。
なんせ、時間の無駄が何より大嫌いな、超ストイックガリ勉くんだし。
きっと今頃は、家に帰り着いて、いつものように勉学に励んでいることだろう。
なんだか、後ろから加賀さんが追ってきてるんじゃないか、って気がして、あたしは足早に教室へと向かった。
案の定、一年生の教室のあたりはしんと静まり帰ってる。
人がいそうな気配はない。
あたしはがらりと教室のドアを開いた。